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<画像転載禁止、ご理解ください>
前ブログのクレーテ・セネージのエリアにあるテルメ(温泉保養地)の話です

TERME RAPOLANO SAN GIOVANNI
シエナから車で1時間ほどで、Rapolano Terme(ラポラーノテルメ)に到着します。
硫黄の香りが漂う温泉地、四季を通して多くの人々が訪れます。ホテル棟とビジター棟に分かれ、それぞれに白濁した温泉プールがあります。トスカーナの丘に包まれた素敵な場所です。
ビジターは大人15€、子供10€で1日中過ごせます。在住日本人家族も訪れているようです。
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夏にピークを迎え1日に1500人以上滞在するとのこと!屋内の温泉は少しぬるめの39度、その他マッサージやスパ、レストランも充実していてゆっくりした滞在が楽しめることでしょう。
(あくまでも仕事上の見学でしたので、温泉を楽しむことは出来ず、遠目から見ているだけでした)

この土地はクレーテ・セネージ、粘質土、二酸化炭素を多く含み、表層は砂地、白い泥の成分は石灰・・・と植物の生育に厳しい場所です。温泉の石灰が詰まるため、年に1か月閉鎖して全ての石灰除去をしています。

昨年の夏前に、荒れてしまった緑地、芝生、木々のメンテおよび新たな植樹を試みました。
依頼を受けたのはお馴染みのPiante MATIです。
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芝生を貼り、実験的にいろいろな種類の低灌木や地被植物を植えてみて、ほぼ毎月状況を見てきています。
表土として肥沃な肥料土を使ってはいても、海岸や砂地に強い材料が大きくなり、園芸品種はあっという間に枯れたようです。
また樹木は大きくなると、根も深い部分に達し枯れてしまいます。敷地内でも石灰成分や硫黄含有量などが違うため、同じ樹種でも育つ場所と育たない場所が分れます。枯れてしまったら、また別の木を植えています。
これも植えてみないと分らないため、日々実験。
同じ樹が隣同士にあるのに生育状況が全然違うものもありました。

約1年後の今、土壌成分の違いは植物の生育状況でよくわかります。
★芝生の生育が落ち着いている場所
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★手前の低灌木と芝生は良好だが、温泉経路に近い奥の方は芝生が剥げ白くなっています
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★芝生がところどころ剥げていますが、こうなると全面的に無くなってしまう確率が高いのだそうです。
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滞在客がどこまで植栽の状態を見るかは微妙ですが、やはり枯れていたら気持ちのいいものではありません。Piante Matiでは、この地に強いとわかった種類をベース植栽として増やし、ハーブや花類を添えて美しい風景づくりの為に土壌と戦っています。

つづく