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北イタリアの建築家 BURNAZZI FELTRIN ARCHITETTI& Paolo PEGORETTIの仕事のご紹介、3章目は地震で崩壊してしまった集会施設の再生プロジェクト、現在進行形です。

プロジェクト③★

http://www.burnazzi-feltrin.it/it/opere/cantiere-poggio.html
設計・デザイン2011 施工2014.01~スタートしたばかり

2009年4月に起きたラクイラ地震(数か月にわたる群発地震の最終期にマグニチュード6が起きた)
は記憶に新しいでしょう。石造りの建物は崩れ、テントの仮設住宅が広場を埋め尽くしました。
今回ご紹介するのは地震で壊れてしまった集会施設、町のコミュニティセンターを再生するプロジェクトです。
敷地はこのラクイア地方の町、Poggio Picenze(ポッジョ ピツェンツェ)、ローマから130㎞強、ペスカーラから90㎞弱の山間にある小さな町です。
この町に住む子供から高齢者まで、みなが集まる場所として使っていた建物は構造も古かったため、地震で使えない状態になりました。行政の呼びかけに応じ、あらゆる義援金が集まり、建設会社、設計会社、製造業者なども無償に近い金額で動きました。

2011年にスタートしたこのプロジェクトは元々あった都市公園内の広場(コンクリート面のスポーツ広場)に設定されました。
行政はスポーツ広場の入口付近、このゾーンの端の方に配置することとして計画を進めました。ここは災害時の避難場所でもあったからです。

■敷地の様子
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再生プロジェクト全体のイメージは
Alberto Burri(ウンブリア州出身の彫刻家)の大地を大きく使った作品、Grande Crettoのような修復でした。
<参考>
Grande Cretto:Alberto Burri(1985-1989製作)
1968年のベリーチェ大地震によって、壊滅してしまったGhibellina(ギベリーナ)地区の集落を模り大地に埋めたような巨大なホワイトセメントの地図であり、集落の存在を忘れないように作られた象徴的なものです。この作品にはいろいろな意見があるようですが・・・新ギベリーナ地区が再生された今、元々の土地は廃墟化していると聞きました。地震後の再生の困難さを再認識させられます。
参考WEB
http://www.livincool.com/art/cretto-di-gibellina-burri
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デザイン、設計を進めていく中で、施工に携わる会社よりBURNAZZI FELTRIN ARCHITETTIに声がかかり、計画を進めていましたが、計画面、金銭面などの条件がそろわず一時ストップしてしまい、あっという間に2年の月日が流れました。

2011年、プロジェクトが再開しましたが、国内では徐々にこの大きな出来事を忘れかけていたこともあり、彼らはこれまでの提案に加え、新たなコンセプトやこの地の記憶を強く発信するデザインを検討しました。

「この地の記憶を盛り込み、アブルッツォの風景に溶け込んだ建物を造りたい」

ジグザグデザインは体験したことを形として残し、亀裂したようなクラックはここで起こったことを未来に喚起することを意味しています。
コンセプトは価値ある大地の自然に繋がるものとし、子供から大人まで、緑が融合した建物を体感し、この土地の未来に希望を持ってほしいと願うものです。

■ボリュームスタディ:ジグザグです
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■全体配置図:ジグザグ建築が配置されました
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Alberto Burri氏の象徴的オブジェと違うのは、この場所を住民が使うこと、象徴的かつ生活の中心になる場所として設計されています。木材で覆われたメインの箱に、スケルトン的な2つの箱要素が添えられているデザインイメージです。

■建物外観:木材と植物で包まれます
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彼らはこれまで紹介しているように、木材を使うデザインのスペシャリストであり、ここでも存分に技術を発揮しています。

■プラン:新しいコミュニケーションの場として
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「メインの箱」は平屋建て、約240㎡の中にエントランスホール、多目的室が2室、インターネット接続端末の備えた図書館、音楽室、倉庫などと、これらの部屋をつなぐ核として半戸外的オープンスペースを備えています。全体で約130人収容、ポッジョピチェンツェだけでなく近隣の方々も利用が可能です。「添えられた箱」は駐輪&パーキングスペースとして使われます。

■外観パース
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■多目的室をつなぐオープンスペース
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建築外壁には天然オーク材を貼り、建具も同材で仕上げる予定です。
屋根は芝生で覆い、壁には蔓植物を這わせるカラフルな誘引ポールが利用者の目を楽しませ、全体が緑で覆われるようなデザインとしています。
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植物については、今後。Piante Matiと一緒に詳細をつめることになっているようです。
またその頃に取材をお願いしようと思います。

そして・・・今年(2014)に入り、ようやく施工スタートです。
しかしながら季節は冬…雪深い中、進められています。
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