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小さな町の公園リニューアル
前回、マルモ出版「ランドスケープデザイン」にてご紹介したシエナの設計事務所Citera Studioの最新作品のご紹介です。
その時の紹介記事はこちら・・・

Castellina in Chianti(カステッリーナ イン キャンティ)はシエナより10㎞ほど北上した位置にある小さな町、古代ローマ以前のエトルリア期から続く、キャンティ街道最古の町のひとつです。
町は城塞に囲まれ、北の出口はフィレンツェへ、南の出口はシエナへ続き、かつての軍事拠点であった名残濃く、城塞の内側は壁やアーチ、トンネルになっている道も多く、重厚な印象です。
そんな歴史を持つカステッリーナ イン キャンティですが、現在は市庁舎での海外ウェディングも受け入れるらしく、何とも不思議な感じですね。

Citera StudioのVitoとRiccardinaは、この町の公園リニューアルを手掛けました。

イタリアには第一次世界大戦後に多くの場所で追悼公園がつくられました。公園は年を追うごとに、碑やオブジェ、遊具が増え、木も植物も成長を続け、元々のデザインにそぐわない姿になってしまう例が多いのです。この公園もそのひとつですが、さらに中央にある水景施設は大人にも子供にも人気があった分、多くの人が訪れたことで設備も景観も荒れてしまいました。

◆リニューアル前の公園の様子
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今回はこの水景施設を大人が憩い、子供が遊べる新しい核として公園全体をリフォームしています。

◆水景施設プランと全体植栽計画
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既存の大樹群を避けながら園路を修復する際には、根の状態を調査しながら丁寧に仕上げています。大きな木は根がどこを走っているかわかりません。考えずに掘り起し根を傷めると豊かな緑を無くしてしまいます。計画時から施工時までずっと今ある命を大切にリフォームしたと言います。
◆根の状態を見ながら平坦にしている様子
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花壇にはローメンテナンスでよい状態が保てる種類を植えています。例えば、アガパンサス、ヒペリカムヒデコート、フウロソウ(ゲラニウムロザンネ)、カシワバアジサイ、ローズマリー、ノバラ“ザ・フェアリィ”(ミニバラ・ポリアンサ)、ヒイラギ、ビバーナムティヌス(常緑低木、よく使われます)とのこと、日本でも使える種類も結構ありますね。
◆ヒペリカムヒデコート:日本でもよく見ますね
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◆フウロソウ:日本では園芸品種で、このように大きくは使わないかもしれません
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水景施設は、子供が自由に安心して遊べ、水に触れることができる遊具のようなデザインが生まれました。その周りには大人が子供たちを見ながら寛ぐことのできるスペース、ベンチを設置しています。
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彼らの拘りは、ただポンと既成遊具を置かず、自然材料(水、石など)を使ったここだけにしかないデザインでした。
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個性的であり、子供たちが跳ねたくなるそんなデザインですね。日本の飛石やケンケンパッ!を想像させられ、懐かしい気持ちになりました。
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明るくなった公園に町の人々も楽しそうです
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Dina & Vito
Grazie per l'introduzione del Vostro progetto!
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こちらもイタリアのガーデン雑誌「gardenia ガルデニア」の臨時号、プールガーデンの特集雑誌です。
前回ご紹介した雑誌Terazzo e Balconi テラスとバルコニーの仲間です。
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Una perla azzurra tra cielo,pini e mare
今回も雑誌から抜粋、バカンスの地として有名なポルトフィーノの別荘を紹介します。ポルトフィーノについては以前のJDNの記事http://www.japandesign.ne.jp/HTM/REPORT/toscana/10/ でもご紹介していますので、ご興味のある方は覗いてみて下さい。

崖に建つヴィラのプールは海にせり出しているような迫力のある景色をつくっています。それでいて、海側から見る景観に溶け込み、自然風景の邪魔をしない工夫もしています。
この作品も前回ご紹介した「フィレンツェの中心、花の大聖堂を一望できる屋上庭園」のデザイナーPietro Porcinai(ピエトロ ポルチナイ氏 1910-1986 )、デザイナーとしての拘り、ディテールやアイデアが満載です。現代デザインのようですが、1960終から1970年初期に設計されたもの、当時としては斬新な作品と言えるでしょう。
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空と海の間の水平線、海とプールの分かれ目、この2本の線がお互いに溶け込み、全体が繋がって見える青のグラデーションを生み出しました。また山側、ヴィラ側のプールラインを消すべく、緑で柔らかく包んで、その形状を隠す植栽計画を施しています。プールガーデンからの眺望の美しさ、土地の風景に溶け込むよう外部から見えにくくした工夫、両方を兼ね備えたデザインです。
クライアントはポルチナイ氏の旧友である建築土木系(主にダムや水景施設、邸宅など扱う)施工会社のオーナー、プールはオーナー家族の希望でもありましたがこんな崖にプールなんて無理だろうと考えていたようです。当時、アメリカの影響もあり、プール付きの別荘は多くの人々の夢であった時期でした。
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もともとガーデンは海面より70mほどの崖の上に存在しており、そこには落ち葉や木の実、ごみなどを溜めておく大きな穴が作られていました。
ポルチナイ氏はこの穴を生かしてプールを作ろうと提案しました。崖を傷めないように周囲の木々を残しながら最小限の掘削で可能なデザイン、指輪台に宝石をはめ込むように、風景の中にプールを落とし込むアイデアを検討したのです。
その結果、中央に大きな松を備えた約25m×7mほどのプールが完成しました。
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コンクリートに真っ白な塗装をしたシンプルな外形、様々な色彩の変化がある風景を映しこむ水面は色を持ってはいけない、アメリカンデザインのようなブルーに塗装するのは違うと思っている・・・とポルチナイ氏の主張が反映されています。
オーバーフローする水は滝のように一段下の細い水場に落ち、そこからポンプアップで循環するようにしています。設備や管を隠すようにゴロタ石や砂利で自然な雰囲気を作り、風景に配慮したデザインになっています。
また落ち葉などの詰りを考慮した工夫もなされました。
プールサイドの舗装はスイス産の大きな石材の乱貼ですが、目地部分には黒い小石を縦に丁寧に埋め、個性あるテラスになっています(施工者泣かせですが)。
この地方の砂利埋め舗装、モザイクのように石や砂利の色彩の違いで絵を描く手法をイメージさせます。ジェノバを訪れた際に見た素晴らしいな石のモザイクテラスを思い出しました。
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前述しましたプール中央の大きな松、植えた当初は5mほどでしたが、ヘリコプターで上空から運んで植えたとのこと!シンボルツリーとして成長し、風景の仲間入りです。木の足元にはアイビーや常緑地被類で緑の絨毯が出来ました。この松のある緑のアイランドはプールを大きく2分割しています。片方は子供たち用の浅いプール、もう片方が大人用です。現在、ご健在のオーナーご夫人は6人の子供、孫、ひ孫とたくさんの家族に囲まれています。

香りや葉色、花色の組合せに拘った植栽計画と共にとても重要だと話す「証明計画」、施工時のエピソードがあります。夜になりかけの頃からポルチナイ氏は斜面の上手に立ち電気工事施工者にトランシーバーで指示しながら照明位置を確認したそうです。施工者は大変ですが、出来映えは完ぺきだったでしょう。

フィレンツェの屋上庭園に引き続き、この作品でも彼の相当な拘りがみえます。
彼についていく施工者のパワーにも脱帽です。
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