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前回の記事掲載に引き続き、今回も記事のお知らせです。

マルモ出版社の隔月誌「ランドスケープデザインNo.89」にトスカーナのガーデンデザインを
紹介しています。

詳細はこちら
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掲載の機会を頂きありがとうございます。

取材にご協力頂いたシエナのCitera StudioのVito氏、Riccardina氏にもこの場を借りてお礼申し上げます

Grazie a voi "Citera studio,vito & Dina" per avere aiutarmi molto!
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L'ARNO Associazione Giapponese in Toscana
トスカーナ日本人会が発行する会報第20号に記事を載せて頂きました。
(ブログに載せることは許可を頂いています)
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機会を頂き感謝しています。
ありがとうございました。

<以下内容>

イタリアの緑に注目する

今までここに記事を載せてきた人はイタリア在住者がほとんどであろう。私は約12年前にフィレンツェとローマに住んでいた。現在は東京在住であるが、機会を頂いたのでイタリア在住の方々にも日本から旅行する方々にも緑の存在に触れてほしいと思う。

一般的に街はCENTROと呼ばれる市街地を中心に城壁に囲まれている。この囲まれたエリアを「街」「都市」と呼び城壁の外側は幹線道路やPERIFERIA、さらにCAMPAGNAと続く。
城壁によって分けられるものの1つに「緑」がある。イタリアの都市計画では城壁内に「緑のスペース」は必要ないと考えられており、緑は城壁の外に「庭園」や「平原・野原」として存在するものとされてきた。都市を形成するものは建築的なもの、つまり道であり広場であり、階段、建物の連なりである。広場は人が行き交い集う広い場所として石舗装が主流、広場の個性を見せる彫刻や水景施設もまた建築的なものである。
「緑のスペース」の中心である庭園は一般的に公の場所ではなく、個人の所有物として城壁の外や郊外にある。また畑や果樹園も緑のスペースであるが城壁外に存在する。
イタリアの丘陵地に美しく保存されているヴィッラの庭、ほとんど個人所有だが予約して見学できるところも多い。春には無料公開の庭もある。イタリアの造景的、建築的庭園はどれをみても同じという印象があると思うが、デザインも構成も庭それぞれに意味があり、所有者の要望、デザイナーの意図がある。ホームページやパンフレットを見学前に読んでヴィッラごとの特徴を見つけながら見学することをお勧めしたい。日本庭園で借景や箱庭の手法があるが、イタリアの庭園でも風景を一番美しく見せるために生垣の高さを決めたり美しい風景を切り取ったイメージで配置したりと多くの工夫が施されている。
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La Foce - Chianciano Terme 高生垣が借景を強調する
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Giardo dei Bardini - Firenze 頂上は街が一望できる

ここで公共の緑、公園や並木道に触れてみよう。私が訪れた公園はヴィッラや工場など廃棄物置場の跡地であった。元ヴィッラは大きな樹々をふんだんに活かし自然豊かな公園になっている。不法投棄で酷かった土地も土壌改良を行い苗の植樹、時間をかけて再生した緑が豊かである。並木道はルッカの城壁一周に植えられた特徴のある風景やローマのトラステヴェレ地区の大きな街路樹が印象的であった。その他にも気にしていれば緑の存在はけっこうあるものなので、街歩きの際には是非注目してみてほしい。
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Villa Vogel – Firenze ヴィッラの跡地である緑豊かな公園
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parco Chici Mendes – Firenze 廃棄物置場を土壌改良した公園

在住時に一緒に仕事をしたピストイアのPIANTE MATI社、大きな造園畑とデザイン事務所をもち、ヨーロッパ中の庭、屋上や壁面などの特殊緑化を手掛けている。2013年1月よりガーデンの学校を開校する。建築家やプロ向けだけではなく一般に対してもガーデンデザインや緑の知識を広めたいと言う。
またフィレンツェのSocietà Toscana di Orticulturaでも園芸を楽しむ講義が多く開催されている。年に2度の花市場ではたくさんの苗木とガーデン資材が並ぶ。
クラシックなデザインだけでなく、イタリア国内の新しい緑のデザインや植物にご興味のある方、是非訪れてたくさんの発見をして頂きたい。
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Piante Mati Pistoia @Accademia Italiana del Giardino  公開講座
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Società Toscana di Orticultura  2012春の花市場の様子
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Villa di Celle
http://www.goricoll.it/

トスカーナ版の彫刻の森美術館という印象をうける多くのアートが点在する広大な森の庭園をご紹介します。
ピストイア中心から約5㎞、古いヴィラの残る豊かな森です。

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ヴィラの存在は1000年前に遡ります。15世紀にはPazzaglia家の所有、その後ピストイアの貴族Fabbroni家にうつりました。
ファッブローニ家はこの地の文化を研究し、ヴィラの全面的修復とガーデンの再整形を行いました。現在の形は17世紀の終わりに当時の枢機卿Carlo Agostino Fabbroni氏による指示のもとに修復された形といえます。18世紀中頃、建築家Giovanni Gambiniによって拡張され、イングリッシュスタイルのガーデンになりました。約30haに広げられた敷地の境界線には大変貴重なワインの種ブドウの畑とエクストラバージンオイルのオリーブ畑が作られ、現在も変わらずガーデンを守るように植えられています。

**枢機卿(すうききょう、すうきけい、ラテン語:Cardinalis)
カトリック教会において、教皇の助言者たる高位聖職者の意

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アルノ川の上流Brana川がこの敷地内を流れ、ネオクラシックなヴィラに似合う天然の湖や中之島を形成することができ、その他の水景施設、岩や崖のある池や滝も豊富につくられました。近くにネオゴシック時代と想定されるピラミッド神殿も残されています。
1970年に美術コレクターであるGori氏の所有となり、園内は大きく変化をしました。彼は既に配されている18世紀の作品(例えば「大きな鳥かご」「茶室」「ピラミッド」など)からインスピレーションを受け、さらに価値を高めるために作品を増やすことを考えました。
まずは70年代の有名な現代アーティストの作品の設置からスタート、カタルーニャ美術館、ドイツの現代美術の祭典Documenta、ヴェネツィアビエンナーレを訪問し、この大きな敷地に、この環境に、どのように表現するかを検討し始めました。
1981年、設置計画のために世界中のアーチストに依頼、この自然豊かな環境の中に自身の作品をどう表現するかを託したのです。
翌年の初夏、9点の屋外作品とヴィラ内の6点の作品で ゴリ氏のコレクションガーデンがスタートを切りました。その後も作品は増え続け、2000年夏現在、屋外アートは34点にのぼっています。

HPより地図を抜粋させていただきました。
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点在するアート作品の詳細はこちらに載っています
http://www.goricoll.it/index.php?file=MappaParco


娘が気に入った体感できる(遊べる)アートがたくさんありました!!

★La cabane éclatée aux 4 salles Daniel Buren(仏)
色彩豊かな壁と鏡、ガラスの構成、色々な角度にうつる自分が楽しいアート
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★Katarsis Magdalena Abakanowicz
なだらかな丘に生えた大きな植物のよう・・・娘はどこに隠れているでしょう?
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★Il mio buco nel cielo Bukichi Inoue(井上文吉)
まっすぐ続く先に穴が、そして見上げると切り取られた空が!
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★Servi muti Roberto Barni(伊)
一緒にテーブルを持ち上げているのは誰!?彫刻は3人です・・・
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★Per quelli che volano Luigi Mainolfi(伊)
誰がこんなところに椅子を置いたのですか!?
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★Spazio teatro Celle: omaggio a Pietro Porcinai Beverly Pepper(米)
緑を切り取ったような劇場に続く緑の階段です
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この庭園見学は完全予約制ですが、植栽工事及びメンテナンスを続けているPiante MATI社のAndrea氏に連れていって頂きました。
通常は15名までとなっていますが、学校の校外授業や遠足などで訪れる団体もあるようです。

数年前にPiante MATI100周年記念式典が行われ、アートの中で盛大なコンサートが開催されました。
その時の様子を書いた記事はこちらです
http://www.japandesign.ne.jp/HTM/REPORT/toscana/35/
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