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過去の記事の抜粋(一部引越し)をします

JDN42 北イタリアでエコハウスを設計する建築家グループ
http://www.japandesign.ne.jp/HTM/REPORT/toscana/42/

近年、イタリア国の建築基準法に基づいた上で環境配慮建築を計画するための条例が出来ました。
国の機関Casa Clima(カーサクリマ)によるランク付けの検査があり、レベルはA+、A、B…と続くが、ラベルを貰えるのはBランクまで、主に住宅、ホテルに焦点を当てており、ハイランクに指定された建築の壁にラベルが貼付されます。
このランクにより建築の価値があがります。将来の売却や賃貸料、ホテルの宣伝効果にも大きく影響があるそうです。
Casa Clima

トスカーナ地方でも少しずつ環境配慮住宅や学校、宿泊施設がラベルを取得しています。トスカーナの丘の農家やワイナリー家では、ソーラーパネルを設置する家も出てきました。イタリアは今日でも電気供給量が安定せず、田舎では突然電気が途切れることも多いため、自家発電システムは生活必需品になっていくかもしれません。
このように建築業界でも環境にやさしい天然建材の使用、冷暖房を減らすための壁や屋根の工夫、太陽熱の利用などエコハウスへの取り組みが始まっていますが、まだまだ大都市や裕福な町などの限られた地域が主流です。
北イタリア、オーストリアとの国境に近いTrentino Alto Adige(トレンティーノ アルト アディジェ)州で盛んに動き始め、多くのエコハウスが生まれています。
トレンティーノ アルト アディジェでは天然建材として主に木材に注目していて、イタリアでは珍しい風景に出会います。
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上記のエコハウスでランクA+を獲得した建築家グループを取材しました。
Gruppo Pegoretti
Burnazzi Feltrin architetti
両事務所はカーサクリマの公式講習を受講しており、環境配慮型住宅の専門家として動いています。

崖地(斜面地)にある住宅リフォーム、クライアント(夫婦)は省エネルギー住宅と出来る限り木材を使うことを望んでいました。

■場所:ペルジネ ヴァルスガーナ(トレンティーノ アルト アディジェ州)
■面積:延床面積約430平米(上部2層リニューアル分:一部増築部、バルコニー含)
■期間:2006-2009年(設計→竣工)
■家族:夫婦2名
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計画のスタートは現状把握から始まりました。既存建物の現地調査及び実測、構造状態、設備導線を確認すると共に、リニューアル前の建物のエネルギー消費量も把握しなければなりません。

 「既存建物は、制限すべきエネルギー、現状維持、新たに必要なエネルギーを認識し、必要なコストの調整と再生不可能なエネルギーの消費の排除が必要でした。ようするに省エネ住宅にするための状況把握と整理、調整です。また住む上でも、質の高い(省エネ)生活状態を保つ必要があります。外部環境からのエネルギー供給、再生可能なエネルギー源量もデータが教えてくれるでしょう。
 この家の形状や条件を見ると、どうしても南西がメインファサードになるので、特に夏、西日の過剰加熱時が大きな問題でした。」


夏の日差し対策や冬の暖房時の問題を把握していくことが、消費エネルギー量の軽減対策に繋がります。カーサクリマの設定する数値はm²当たりのキロワット数が決まっており、それによってA、B、Cとランク付されることもあり、規定の消費エネルギー量をクリアするべく設計が行われます。
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リフォーム前はこちらです
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ファサードを包んだのは、この地域の環境共生住宅設計で注目される天然木材、カラマツでした。構造に関わる部分は鋼材とプレハブ工法の木材の混合、外壁はプレハブ工法木製パネル、この材もまた環境配慮住宅の数値に貢献しています。

 「天然木材、そしてカラマツを選んだ理由はいくつかあります。木材が古い時代から使われてきたことは、ここトレンティーノの地でも同じです。この地の農村建築の歴史を現代に繋ぎたいと考えています。家は、石を基礎に木を柱や梁にして造られてきたのです。カラマツは長い年月のあいだ利用されてきて、現在もそれは変わりません。例えばバルコニーやデッキに…。カラマツは強度もあり特殊な加工や処理をせず長い年月保たれますし、時間と共に灰褐色に変化をしていきます。家のファサードの色が変わっていくなんて、素敵じゃないですか!」
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内装材にもカラマツ材を多く使用しています。人間の健康を害さず快適な環境をつくる材料だということで床、壁、家具に使われています。ガラスはリサイクル材、バスルームにはライムストーンを貼りました。この材は大昔から体に優しい建材として、バスルーム、特にトルコ風呂に使われてきたものです。
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作品の詳しい話はこちら→ JDN42
イタリアのエコハウスの詳細も載せています。
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