カテゴリ:GIARDINO(ガーデン)( 29 )

“Un Posto a Milano ウン・ポスト・ア・ミラノ”

ミラノ観光の中心ドゥオモから地下鉄で約10分、ポルタ・ロマーナ駅から徒歩10分の住宅街の一角にあります。観光地の雑踏にちょっと疲れたら、リフレッシュになる緑豊かなオーガニックレストランです。
このエリアは元々農場地帯で歴史ある地区 “Cascina Cuccagna カッシーナ クッカーニャ”と呼ばれています。カッシーナは共同経営形態の農場、またその中にある農家の意味、そしてクッカーニャは楽園、ユートピアの意味です。1700年代にはカトリック教の薬草園が広がり、1900年前半は作家や職人の工房、食堂が集まる楽園的存在になりました。
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その後ミラノ市所有地となりましたが、再活性化をはかるプロジェクトが立ち上がり、その一環として当時の建物を修復、2012年春にオープンしたオーガニックレストランが“ウン・ポスト・ア・ミラノ”です。上階には宿泊施設も併設しています。
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地下鉄から地上に出ると、閑静な住宅街。観光地の賑わいが地下鉄10分で全然変わります。大通りから横道に入ると、そこだけ急に切り取られたような田舎の農家が真っ青な空と緑の芝生の中に佇んでいます。
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レストランのオープン時間はランチ12時半~早く着いたら手前のバールやカウンターで飲みながら待つことも出来ますが、私たちは畑の中を散策したり、娘は積木で遊んだり、待ち時間を楽しみました。何とも言えないワクワク感を与えるバーカウンターではフレッシュな野菜や果物もたくさん積まれていました。
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レストランは室内とテラスが選べますが、テラスは平日でも予約でかなり埋まっていました。
天井が高く室内でも外気が感じられ、夏は涼しく快適です。アンティークを生かした素朴な空間が落ち着きます。
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2015年にはGambero RossoのTre Gamberi に選ばれました。ミラノでは2店目の快挙だそうです。シェフによる伝統+αアイデア満載の料理はどこまでもオーガニック、地元、近隣契約農家の野菜を使い、オリーブオイルやワインもオーガニック、ベジタリアン料理も多く、健康にも環境にも、とことんこだわっています。

毎週火~金はHPにランチメニューがお知らせされます。軽めのコース、きちんと食べたいコース、アラカルトも豊富です。届く食材の内容でシェフが考案、メニュー名はなかなか難しく、私たちもほぼ全部説明してもらいました!
まずは初来店者におススメ”味見のアンティパスト”という名で少しずつトライできる一皿です。

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こちらは野菜尽くしの手打ちラビオリ、中身も茄子のペーストでした。

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鮮やかな赤はトマト、酸味がほとんど無く甘い!少し厚めのパスタ生地にとても良く合います。
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畑の中にも木陰の席があります。虫が苦手だとちょっと躊躇するかもしれません(笑)
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芝生は「子供だけ入っていいよ~でも芝生のために砂利をまいたりしないでね」と書かれています。
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ここは「蝶々のための花壇」です。
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畑の食材も活き活きしています。
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戦時中、ミラノ市内にも食材確保の畑が多く存在しました。その歴史が書かれたパネルがありました。
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クッカーニャには今でも多くの自主農園が点在します。その交流拠点として、ここではボランティアスタッフによって菜園を管理、育てて食べる親子イベントや毎週水曜の夕方市場を催しています。

昨年のことですが、福岡の三ツ星レストランシェフを招いて日本の食材を楽しむジャパンフェスタを開催したそうです。神戸牛なども振る舞われたそうで、スタッフさんが「それはそれは美味しかった!」と話していました。

都心ミラノにあるからこそ貴重なオーガニックレストラン、新鮮な味を体感しました。

Un Posto a Milano ウン・ポスト・ア・ミラノ
http://www.unpostoamilano.it/index_eng.php

こちらのサイトでも同記事を紹介しています。
https://lovegreen.net/place/p50751/



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ブログも久しぶり、Piante MATI社へのインタビューも久しぶりです。

トスカーナのルッカ県、フォルテ デイ マルミ(Forte dei Marmi)という海沿いの街の別荘、ガーデンリフォームのご紹介です。
敷地は海から約1㎞に位置し、地下に帯水層のある難しい土地ですが、夏のバカンスを楽しむ別荘が並んでします。
元々、町の所有地だった土地が民間に売り出され、オーナーが購入、建屋とプールはそのまま残し、大きく広がるプライベートガーデンを全面的にリフォームしました。
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約1000㎡の敷地は水がよどんだ泥沼地のまま放置されていました。土が本来あるべきガーデンのレベルよりかなり下がっていてギンドロ(ポプラ)やハンノキ、かなりの湿地植物が生い茂る状況でした。
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土地購入時に、大木の伐採許可は出ていましたが、大きく成長したハンノキを数本残して後は一掃しました。
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水はけをよくするために土地を均しなおし、500厚ほどの砂質土を全面に施し、土壌を元のレベルに戻しました。
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土の均し方がどれだけ丁寧で上手か!は芝生を敷いた時によくわかります。
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芝生メインのシンプルなデザインに乱石の園路が惹き立ちます。
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プールのエリアも美しく修復されました。
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オーナー家族はここで6月~9月の数か月をゆっくり過ごしますが、大混雑を見せる8月にはいったん街に戻るそうです。
本当にゆっくり過ごしたい・・・贅沢な時間を大事にしていますね。

取材に応じてくれたフランチェスコ氏に感謝です。
いつもありがとうございます。
Caro Francesco MAti,Grazie per l'intervista come sempre!
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サルデーニャ島の別荘を美しい緑で包む‐2

前回の続きです。

敷地の植栽地レベルを上げ、大きな面積を有効に使って周囲の風景に繋がる植栽計画を施しています。海風が直接当たる場所や敷地境界ラインには地中海性気候に適した耐潮性の高い種類を配植、風景の色彩に合わせた樹種を用いてランダムに厚みのある生垣で潮風から守るように植えています。低潅木によるボリュームのある生垣の中に高木類がポイントとしてガーデンを演出しています。手前には低木地被類、草花類と徐々に低めに植えていき芝生に繋がることで視覚的な奥行き感に貢献しています。

今年に入って撮られた写真、緑と海の青のコントラストが素晴らしいですね
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「植え込み当初はクライアントのご希望に沿って緑と白青系の花が中心のナチュラルテイスト、花物は少なめにアレンジしました。芝生は熱にも潮にも強い品種を選択しました。ここの芝生を貼り終わったのは7月の終わりごろでしたが、既に昼間は36度、真夏のような暑さでしたよ!春から夏に植えた種類が冬をどう越すかを観察していましたが、嵐による高波や強風による塩水にオリーブや常緑カシノキの葉はびりびりでした。2月に入り植物を回復させるべく有機肥料や栄養液などを施しました。地中海性気候の植物は早めの対応が肝心でしたから。」

ブーゲンビリアの差し色が映える(2010年)
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海につづくプライベート感のあるヒーリングスポット(2011年)
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緑の厚み、高中低の段差が絶妙です(2012年
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数年経った頃、クライアントは色彩豊かなガーデンを依頼してきたと言います。美しい田舎町に咲く花、四季折々の花且つ潮に強い種類でアレンジし、庭全体が華やかになりました。クライアントも最初は白や青の可憐な花と希望していましたが、近所の別荘や島内の風景を見ているうちに華やかさに魅力を感じたようです。

海とプールサイドを柔らかくアレンジしたスクリーン的植栽(2012年)
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プライベートプールを包む緑と花もボリュームがあります(2012年)
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これからもずっと付き合っていくガーデン、人と植物、自然との共存には愛情を込めたメンテナンスが必須です。

写真集で見るような素敵な風景、作り手のこだわりと愛情が伝わります(2013年)
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<データ>
設計及びデザイン:Francesco Mati- Gruppo Mati srl http://www.gruppomati.com/
造園及び植栽工事:Giardineria Italiana, Piante Mati dal 1909, Ileximpianti
人工灌水等:Rain-bird使用 http://www.rainbird.com/

主要樹種:
◎高中木(約20本)
コルクガシ、オリーブ、セイヨウネズ(ジュニパー)、イナゴマメ(ヨハンパンノキ)、アメリカデイゴ
コショウボク(カルフォルニアペッパー)

◎低潅木(約200本)
セイヨウヒイラギカシ、フィレリア(モクセイ科)、イチゴノキ、ヤナギバグミ、マスティックツリー(ピスタチア属)
ミルトノキ、テウクリウム・フルティカンス(ツリージャーマンダー)、ウエストリンギア、シャリンバイ
ヘリクリサム、ローズマリー、サントリナ(コットンラベンダー)、センナ

◎地被草花
アガパンサス、ヘメロカリス、アベリア、ポリガラ・ミルティフォリア(マメ科)、コバノランタナ、ガザニア各種、
アイスプラント(塩生植物)、ハイドランジア(アジサイ類)、ハス、キョウチクトウ、デュランタ(ハリマツリ)、ハーブ類

◎芝 
Paspalum vaginatumサワスズメノヒエ(熱帯を中心に海岸に植える芝の種類)


Grazie!!! fratelli Mati!
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サルデーニャ島の別荘を美しい緑で包む‐1

地中海でシチリア島に次いで2番目に大きい島サルデーニャ島の別荘をご紹介します。
毎度ご登場のPiante MATI(ピアンテマーティ)の手掛けた物件ですが、持ち主はあくまでもプライベートですので、これまで全く公開できませんでした。今回特別に了承して頂いた範囲で、美しい風景を載せたいと思います。ようやくイタリアの雑誌等にも載せることが可能になったと言います。

イメージスケッチ:砂浜に続く別荘の大きなガーデンです
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海に囲まれた島、自然豊かなイメージを持ちますが、決して植物にとって幸せな条件ではありません。ランドスケープデザイナーにとって挑戦と言えるプロジェクトであり、長い時間をかけて成熟する姿をみることも大きな仕事の一つと言えます。サルデーニャ島は地中海のど真ん中に位置しています。別荘は海辺に建ち、美しい海の風景を一望できる、それは海からの潮風による被害もより大きいということです。

施工前の様子(2000年)
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Piante MATIが2000年に敷地調査に足を踏み入れてから、デザイン(2000-2001)、施工(2001-2003)、そして14年経った現在に至るまで丁寧なメンテナンスを続けて請け負っています。自然条件と戦う植物のもつ自生パワーを助けるメンテナンスによりガーデンは大変美しく保たれてきました。

施工1-2年後、植物も芝も根付いてきました(2002年)
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緑が美しく成長するのに何年もの年月が流れ、努力の賜物です(2007-2009年)
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過去にボローニャでガーデンイベントに出展し、そのデザインをクライアントの友人が見ていて「いい事務所があるよ」と勧めたことがきっかけでこのクライアントに出会えたそうです。ヴィッラそのものの大掛かりな修復が終盤を迎えたころに、ガーデン工事がスタート、建築に近いプールエリアの工事は後追いで仕上げました。

ハーブの香りが豊かなグリーン中心の植物選択です(2008年)
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「サルデーニャ島の環境としてよく言われるのは山地、起伏が多く、不規則な丘や台地が連なる山間というイメージですが、最初の現地調査の際に、この地の土壌の複雑さ、ガーデンデザインをする上での困難さを理解しました。ほぼ岩石でできた平らな地層であり、海からの強風をまともに受ける場所でした。敷地の至るところに給排水システムを回す必要がありました。
ガーデンデザインと機能は大きく2つのエリアに分けて検討しています。別荘の母屋周りとテニスやジムのあるスポーツを楽しめる広いエリアです。我々はこれを活かしながら動線を再考し、海への眺望や緑のスペース、舗装部分をデザインしています」

テニスコート前庭です(2008年)
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園路は大きな石貼+芝目地が美しいですね(2003年)
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時が経つとともに芝目地もより青く、低灌木類の厚みも豊かに(2009年)
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プールは建物に一番近いプライベートな場所、とのことで詳細は載せられませんが、海と水面が繋がるインフィニティプールとなっています。

海に繋がる透明感のあるプール(2006年)
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施主:プライベート(ファミリー)夏の別荘及びゲストハウス
敷地面積:15000㎡
デザイン及び施工:2000-2001年でほぼ終了(プールエリアはその後別途工事)
メンテナンス:秋に1-2回(剪定整理、追肥)、冬の終~早春にかけて1回(剪定、芝刈、肥料他)をベースに行う

植物の選択だけではなく、給排水、照明設備の関係も吟味するうえでコスト調整も大きな仕事でした。提案を何度も重ねる努力の結果、美しい風景を造り上げています。設計スタートから14年、植物と共に成長したと話してくれました。植物の状態を見て、病気や虫害と戦い、植え替え・・・と子育てと同じですね。

次の記事は最近(2010-13年)の姿をお見せする予定です
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★恒例・・・イタリアのガーデン雑誌「gardenia ガルデニア」2013年10月号より★

Tra rigore e spontaneita’~厳しい環境と自生植物~
環境に適した自生植物を中心に配色された風景の一部になる屋根緑化事例の記事をご紹介します。
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Piacenza(ピアチェンツィア:ミラノより南に70㎞ほど)の郊外、なだらかな丘に建つこの別荘は、驚くべき透明な家、大きなガラス面で内と外が繋がっているように見せています。もう一つの特徴は屋上緑化された大屋根ですが、施工後、灌水設備を設置しないまま15年が経ち、セダム類など強健な種類だけが生き残っている状況でした。クライアントはそのような一定の種類に浸食されたような、残念な姿に成り果ててしまった屋根緑化をやり直すべく、2011年ランドスケープデザイナーのAnna Scaravella氏がこの困難なリフォームにチャレンジしました。自然の生命力に対立せず、住まいの近くにどう植物を共生できるか?この土地に自生する植物種類をベースに検討を進めました。
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山の方に向かって縦長の敷地は緩やかな斜面、その中間地に建築があります。敷地の上方には木が茂る森、その中に車道が面しており、住人は上方からアクセスする造りです。そのあたりに植えられた木々、植物はこの地に合わなかったのか、発育不良気味のようです。
建物に近い場所には芝生が敷かれていましたが、今回Scavella氏は芝生と植栽地の間にコンクリートの仕切り(H400)を設け、植物がお互いの浸食を防ぐようにした上で、囲まれて花壇となった部分に堆肥を加え、軽い畝を作りました。仕切りによって芝生地と草地(自生種)を分割することで、両方とも浸食しあうことなく、共存できるのです。
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風や動物、鳥や水の流れによって森から植物の種が運ばれ、1年も経たないうちに春・・・ここは草原のように爽やかな緑で覆われます。色とりどりのワイルドフラワーが繁茂するのです。夏になれば、一面黄色の花で絨毯のようになるでしょう。
時間の経過により、ここは極相(クライマックス:生物群における平衡状態)になり安定します。

周辺の大きな緑に融合し、植生をつなぎ、自然と共に暮らす家、数年後の姿が楽しみですね。
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Anna Scaravella - Landscape Designer
http://www.annascaravella.com/index.htm
アンナ・スカラベッラ氏のホームページです。
プロフィールを拝見、在伊日本人建築家とのコラボレーションもあり、興味深いランドスケープデザイナーです。
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★前回の続きです(ラスト)

寒い冬の施工後、Piante MATIのメンバーは毎週メンテナンスに入ったといいます。
毎週!って樹木関係のメンテナンスとしては異例ですね。
それだけこの地の特殊さ、困難さを語っています。そして彼らの植物に対する愛情も!!

今夏(2013年)の姿はこちら↓
サイプレスも支柱と共にしっかり立っています。緑も生き生きしていますね!
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冬に植えたツル植物たちも壁を覆ってきました。レンガ壁といい相性です。
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既存の木々や生垣と新しく植えたものたち、美しく共存しているのがわかります。
メンテナンスの賜物です。
湿度を好むシダ類、生き生きとしています!
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最初にご紹介した雑誌に載った風景と同じですね。成長を感じます。
また選択した樹種、植え方の上手さ、デザイナーと施工メンバーのコラボレーションの大切さを認識させられます・・・
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サイプレスのゲート、イタリアならではの中庭ですね。
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私がここを訪れたのは約20年前・・・再訪したいです!

Grazie per intervista,Piante MATI...Francesco & Andrea!
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★前回の続きです

運ばれてきた樹木や植栽を植え込むために荷解きや剪定、植物の状態もチェックします。
既存の樹木の剪定、一部伐採も行っています。
大きな切り株が見えますね!相当大きな木だったでしょう・・・でも生きるのは難しかったのですね。
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細長いイタリアンサイプレス、ゆっくり起こして立てるのですが、これも一苦労、まさに職人技の世界です。
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新しく作られた花壇に生垣を配します
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壁につる植物を這わせました。春を迎え夏頃には緑一色の壁になるでしょう!
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その夏の姿、緑が豊かになった美術館のご紹介は次のブログで!
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★前回の続きです

2012年の冬、植栽エリアの工事がスタートしました。
水路が道となっているヴェネツィアでは、搬入経路も全て水の上、観光客を乗せるゴンドラと同じ水路をモーターボートで勢いよく!?登場です。
先頭は高木類を乗せた船、後ろに土壌の山を乗せるモーターボート、職人さんの乗るボートと連なります。
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グッゲンハイムの前に着きました。写真ではわかりにくいかもしれませんが、かなり大きな船です。
細長いイタリアンサイプレスは8m近いものなのですから!
そして落葉は白い布にまかれ、大事に運ばれてきました。
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ゴンドラからも珍しい光景を見学中・・・・?
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いよいよ搬入です。
かなり大きいものを入れるため、全てクレーンで持ち上げます。木を傷つけないよう、特に根を大事に・・・
そして歴史ある建築にぶつけないように!と相当、気を使います。
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樹木を横にして人力で運ぶため、階段にスロープを設置し、滑車のついた樹木用台車を使います。
ゆっくりゆっくり、でもかなりの力を必要とします。搬入もまた職人さんの腕にかかっています!
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樹木は運んだら出来るだけはやく土に埋めて環境になじませないと、弱ってしまいます。
ピストイアの畑で大切に育ててきた子供たちを新しい場所に植える、親心いっぱいの植栽工事です。
植えた後も、寒く、潮の多いこの土地で元気になるまで、毎週様子を見に来ています。

もちろん元気になってからも!メンテナンスをしながら、いつまでも元気で育つように見守ることが重要です。
本当に子供と一緒ですね!!

さて次回は寒空の中、植栽工事真っ只中の状況をアップします!
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恒例・・・イタリアのガーデン雑誌「gardenia ガルデニア」2013年9月号より★
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Il Giardino del museo “La Collezione Peggy Guggenheim” a Venezia
ペギーグッゲンハイムコレクション(美術館)はヴェネツィアのカナルグランデ運河に面した庭園美術館、観光地としても有名です。ここのガーデンが昨年美しく生まれ変わりました。
いつもご紹介しているガーデン誌Gardeniaの9月号にその記事が載ったのですが、植栽工事を担当したのが友人たち、Piante MATI社と書かれていたので、早速当時の施工状況などを取材しました!
彼らは本当にブラーボ!なメンバーです。

今回はまず記事のご紹介、その後数回に分けて、工事の状況や運河を船で運ばれてくる植栽材料、サイプレスの植え付けなど、なかなか見られない施工風景、そして1年後の今夏の美しい姿をご紹介したいと思います。

第二次世界大戦終戦時、ペギーグッゲンハイム氏(1898-1979)はヴェネツィアを訪れ、この地に魅了されました。これまで大切に集めてきたコレクション、特に芸術家の文芸保護活動として守ってきた作品を配置できる物件を探しました。また彼女が愛する犬たちが遊べる大きな庭も大切な条件でした。
1949年、彼女はヴェネツィアに移住、ここにペギーグッケンハイムコレクションが誕生しました。メインの運河に面した真っ白な石壁の大きな邸宅、中二階があり、樹齢の高い木々の緑が生い茂る中庭を持つ理想の場所に出会えたと書かれています。
その後、作品を配置するために隣地も購入し中庭を壁で囲うように造り、いくつかのエリアに分けました。それぞれの庭に個性と魅力を持たせてるべく、寄付を頂いている著名人の名をつけているそうです。
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2010年の今日に至り、館長Philip Rylands氏よりThomas Woltz氏(Nelson Byrd Woltz Landscape Architects)、Isotta Cortesi氏(CORTESI ARCHITETTI)連名にて庭園の全面的改修を依頼しました。

★Nelson Byrd Woltz Landscape Architects
http://www.nbwla.com/
★CORTESI ARCHITETTI
http://www.cortesiarchitetti.it/flash-version/

館長の希望は「緑は中庭にある作品に添えられているだけではなく、植物そのものが見せるべき作品であり来館者を魅了し誘い込むガーデンにしたい」というものでした。
Cortesi氏は「舗装材は、モザイク、アンティーク石材、レンガやヴェネツィア大理石など、美術館に大切な要素“踏みに強い材料”であり歴史的にも大切なマテリアルであることから出来る限り補修してそのまま使いました。植栽は分割されている庭の境界や見せ場に集中し、壁の植物はほぼ残しました」と話しています。
初夏に香るツルジャスミンを壁に這わせ、足元にはシダ類、アカンサスやセイヨウナギイカダ、ムスカリなどを選択、要所に鮮やかな緑と房になる白花が美しいヒューケラヴィローザ“シャンティリィ”を植えています。常緑の多い中庭ですが、差し色としての落葉が秋から冬にかけての庭を彩ります。
ボーダーガーデンを魅せるのは、アガパンサス、アリウム、デルフィニウム、ヘレボレスやゼラニウムです。その中に特別な場所として、賞をとった有名なバラ種が大切に植えられています。
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このようにデリケートな植栽計画の施工を引き受けたのは、前述のとおりAndrea MATI氏率いるPiante MATI社です。施工後もCortesi氏と共に、毎週メンテナンスを続けています。
Andreaは「カナレグランデ運河から8-9mのサイプレスを搬入する時、自分と同じピストイア出身の彫刻家Marino Mariniの作品に迎えられた!大変感動した!」と話しています。
その作品はこちら

水路で動く特殊なヴェネツィアの工事、全て船で運び、水の上でのクレーン作業、その様子は次回ご紹介します。

Peggy Guggenheim Collection
http://www.guggenheim-venice.it/
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Villa Medicea di castello(ヴィッラ メディチェア ディ カステッロ)

以下のHPで紹介しています。
http://www.cultura.toscana.it/architetture/giardini/firenze/villa_medicea_castello.shtml
http://it.wikipedia.org/wiki/Villa_medicea_di_Castello

フィレンツェ市内からバスで20-30分ほど、郊外の町セスト・フィオレンティーノに近いその名もカステッロという地に佇むヴィッラとその庭園をご紹介します。ボーボリ庭園と同じく建築家/彫刻家Niccolò Tribolo(ニコロ・トゥリボロ)の作品であり、メディチ家の所有物の1つとして世界遺産の登録を受けました。
建物は15世紀のもので、メディ家代々受け継ぎ、敷地を拡げ彫刻や芸術品が増やされていきました。
1540年コジモ1世の命によりニコロ・トゥリボロ氏がガーデンプロジェクトをスタート、ヨーロッパでも名高いガーデンが誕生しました。
◆ウィキペディアより写真お借りしました。
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バスを降りると、ヴィッラまで見事な並木道が一直線に続きます(Via Giulio Bechi:フィレンツェ出身の小説家であり軍人の名がついています)。
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ヴィッラの前には半円型の緑の広場、シロツメクサの絨毯から春の香りが漂います。現在はヴィッラの横に続く大きな森側からガーデンに入ることができます。
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振り向くと・・・歩いてきた並木道
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ガーデンは大きく3段の階段状、ヴィッラに近い1段目には16の方形花壇が整然と並び、中央の大きな噴水彫刻が中心性を表しています。噴水はトゥリボロ氏の作品、エルコレとアンテオ像(ゼウスの息子)はバルトロメオ、アマンナーティの作品です(フィレンツェ、シニョーリア広場のネプチューンの噴水と同作者)。
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当時は噴水を囲むようにゲッケイジュとミルトノキの森があったとのこと、残されている絵画の中にも描かれています。(上記ウィキペディアの絵画)

周囲の壁にはバラのエスパリエ
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ちょうど刈込メンテナンス中でした。
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2段目はレモンの庭、暖かい季節には外に並べ、冬は温室の中で過ごします。ここでも真っ直ぐなクラシックガーデンの線形とレモンの整列が見る者を圧倒します。
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鉢はオリジナルです。私も入れそうな大きさです
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3段目、ここにはグロッタと装飾を施された天井画が見られるのですが、残念ながら私が訪れた際には中に入れませんでした。ウィキペディアから写真をお借りして説明を加えます。貝やヒトデなど海の生き物が彫られた大きな水槽(泉水)の上にたくさんの動物が所狭しと乗っています。それぞれ違う種類や色の大理石を使い、彫刻に深みを持たせています。トゥリボロ氏の発案で進められ、彼の死後に建築家Vasari(ヴァサーリ)によって完成されたとも言われています。
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その後、バルトロメオ、アマンナーティの銅でつくられた像が加わり、さらに奥には秘密のガーデン、中世らしい庭や菜園、森が続いていたと語られています。森の中には大きな大理石の池があり噴水が音楽を奏でるようだったと言われています。これも先ほどの絵画に見られます。

大変便利になったGooglemapで見ると一目瞭然です。

すぐ近くにVilla Petraia(ペトライア)もあります。こちらも有名ですので、フィレンツェ中心部からちょっと足を延ばしてみてはいかがでしょうか?
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