カテゴリ:PAESAGGIO(景観)( 5 )

ミラノの中心部Centro storicoから地下鉄で10分ほどのPorta Genova FS駅を降りると、運河沿いの街があります。
都会的な観光地とは全然違う、庶民的な、下町的な、居心地のいい風景に出会えます。
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ここはナヴィリオ地区、ミラノで唯一運河と人工水路が残る貴重な地域です。

元々、ミラノは多くの運河や水路が発展し、生活動線として使われていました(ヴェネツィアのように)が、戦後より埋め立てられ陸路が発達、今ではナヴィリオ地区だけに水路の歴史が見られます。当時の水源は北イタリアのマッジョーレ湖、コモ湖からの流域よりミラノまで繋がり人工的に引かれた水路です。
運河の設計にはレオナルド・ダ・ヴィンチも関わり、運河はドゥオモ建設の際、石材運搬ルートになっていたと言われています。
Naviglio Grandeと呼ばれる運河の中心です。
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橋も重厚で趣があります。南京錠が着けられるのもヨーロッパならではの光景?
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下町ゆえに、若いアーティストが暮らし、地域おこしに貢献してきました。
現在は個性的なセレクトショップやアート作品が見られます。落書きなのか?アートなのか?
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窓に並ぶカラフルなプランターが目を惹きます。
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駅からの線路上を渡る歩道橋もアート?
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おしゃれなレストランやバール、カフェも増え、下町風情との融合がいい雰囲気を見せています。
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水路沿いからの路地レストラン、中庭、枝分かれする水路(洗濯場)の発見も楽しいです。
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雑貨屋さんや古着屋さん、アンティークショップもたくさん見つかります。
月に一度は蚤の市(アンティーク市)が行われるそうで、地元の人たちや観光客でにぎわうとのこと、盗難には要注意ですが、掘り出し物に出会える場を楽しみたいですね。

私たちが訪れたのは昼間でしたが、夕方からアペリティーボ(食前酒)を楽しみながら、夜景を楽しむ時間がとても人気のようです。次回(があれば)は夜に訪れたいです。



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2回にわたりトレントの再開発のご紹介をしましたが、今回はトレントの旧市街をお届け!
この地域は紀元前4世紀から街が存在したと言われています。

トレントはミラノから列車で3時間(ヴェローナで乗換)、トレントに近づくにつれて大きな山が切り開かれた迫力ある崖に挟まれるようにして列車が進みます。
トレントはトレンティーノ・アルト・アディジェ州の州都、北はオーストリア国境と接しているのでドイツ語も聞こえてきます。
イタリアとドイツの2つの文化が混ざり、ルネッサンス時期の面影が強く残ります。中世ルネサンス期のパステル調塗装や木造バルコニーなどが当時のまま修復されているのも特徴です。
夏のバカンスシーズンで訪れる観光客とすれ違うと、イタリア語よりドイツ語が・・・。
トレント駅を出ると空と山並みが広がっています。
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駅前の公園(giardini pubblici)の緑がキラキラしていました。
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Abbazia di San Lorenzo 駅降りて、最初に目に入る教会です。(12世紀)
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街の中心はドゥオモ広場、到着した時には朝からの市場でにぎわっていましたが、午後になるとゆったりとした時間が流れています。
Cattedrale di San Vigilio(右)
通称ドゥオモ、ロマネスク+ゴシック様式のミックスです。(12世紀)
Palazzo Pretorio&Torre Civica Cathedral(左)塔の頭の形が印象的です。(12‐13世紀)
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Case Cazuffi – Rella(正面)
壁画が美しく残されていますね。外壁の壁画はトレントの特徴です。
Sacristia Del Duomo(左)
色彩が美しい壁面ですが、このようなパステル調の塗装もまたよく見られます。
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fontana del Nettunoドゥオモ広場の中心、ネプチューンの噴水はバロックの象徴です
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ドゥオモ広場から真っ直ぐ続くメインの道Via Rodolfo Belenzani、外壁の壁画が美しく残されています。
歩いて行くとChiesa di San Francesco Saverioがドゥオモと向かい合うようにして建てられています。
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Via Rodolfo Belenzaniからドゥオモを見ると・・・夕日が差し込む時間でした。
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宿泊はこの道沿いのB&Bでしたが、手に渡されたのは4種類の鍵!
メイン玄関(重厚な木扉)、エレベーター(上階にあがる専用キー)、テラス入口、部屋の鍵・・・
外から見たら中の様子は全く想像できませんが、中庭があり・・・階段室もいい雰囲気です。
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そして秘密の隠れ家のようなテラスから、ドゥオモ広場のTorre(塔)が見えます。
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街を歩くと外壁の色彩、舗装のデザインなど凝った表情にたくさん出会います。
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トレントはたくさんの芸術家、建築家が生まれた場所で、街の中に歴史を刻んだデザインが溢れているそうです。

この写真の奥に見えるのは城壁の名残です。
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今回の旅は、この街で友人夫婦が建築設計事務所を営んでおり、会いに行くことが目的でした。

BURNAZZI FELTRIN ARCHITETTI(以前の紹介記事)
http://verdetosca.exblog.jp/20088804/
これまで何度もメール取材に応じてくれていましたが、やっとお会いする機会が出来たのです!

ご一緒したレストランで、トレント郷土料理を頂きました。
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一緒に夜の散歩をしました。温かい光に包まれた街、気持ちいい!
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街の中、車で回って頂いたところは写真はありませんが、とにかく小さな街なのに城や教会が多い印象でした。

16世紀のトレント公会議(宗教会議)を境に街の名が有名になり、司教公支配だったことで教会が多いようです。

そして今、どれも美しく修復がされ保存されている・・・トレントが国内では裕福である方の街というお話を聞きましたが、何となく納得です。

一泊だけでしたが素敵な滞在でした。
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Le albere レ・アルベレ開発地区
アルプスの山々に囲まれた山脈ラインをイメージしたトータルデザインとグリーンをメインカラーとして特徴づけた街並みです。
前回のブログの通り、敷地のほぼ半分が芝生広場中心の緑エリア、周囲の山並みと繋がって見えます。
住宅300戸、オフィス用地18000㎡、店舗用地9000㎡、オープンスペース(広場、街路、水路)28000㎡、緑地が5haとなっています。

aerial view俯瞰図
Designboom feb 25 2012記事より抜粋させて頂きました。
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大きな芝生広場の緑は山並みに繋がっています。
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CASABELLAというイタリア建築・デザイン総合誌内の記事では「魔法から覚めた山」と名付けられていました。山々に包まれ山脈をデザインに取り入れた「山の街」として誕生してから4年強、店舗も入り、アパートメントも宿泊者が増えてきているようです。Designboomの記事内にあるパースにような活気ある場所になるでしょうか!?
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夏に訪問した際、博物館の賑わいとは逆に、街の中は人がまばらでした・・・バカンスシーズンで逆に人が少ないということもありますね。
みんな夏は海や山の中へ移動してしまうので。

「Albere」、alberoは樹という意味ですが、このプロジェクトではギンドロ(Populus alba/Pioppo bianco)を意味しています。
ギンドロはヤナギ科ポプラの仲間、日本でも北海道で並木道に使われる葉裏が白い爽やかな木です。
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また隣接するPalazzo del Albereの名前にも由来しています。
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この建物は1987-2010 MART近代美術館であり、2011年修復を経て、2012年からはMUSEに関連したテンポラリー展示に対応したり、講演や展示会に使われています。MARTはトレントから電車で15分のRoveretoという街に移転されました。

博物館を出てメイン街路を進むと、バルコニーや窓前に木材による印象的な格子模様をデザインし、グリーンのカーテンの連続に目を奪われます。
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木材はこの地方で昔から使われる材料であり、旧市街のバルコニーなどにも使われてきました。大きな窓があるので明るく広々とした部屋、内装にも大理石、セラミックと木材がふんだんに使われています。地下駐車場は2層、2000台、高度な安全システムに守られています。
アパートメントは芝生の庭を囲むように建っています。
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建物はどちら側からも緑に包まれています。
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屋根には全面的に太陽光パネルがつけられ、窓の断熱性能もコンピュータ制御されているそうです。
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メイン街路と先の方で繋がるように建物に沿って曲線を描くもう一つの街路は水路が走ります。この水路はMUSEを囲む池に繋がっていて、火災時の機能としても考慮されています。
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舗装も地元産の石材、赤褐色のRosso Trento(ロッソ・トレント)と大理石系のVerdello(ヴェルデッロ)を使っています。
Verdelloはベルガモの街名でもあり、北イタリアの特徴ある材料のようです。このように地域の材料を使うことでトレントの歴史を繋ぐコンセプトとなっています。
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このプロジェクトはミシュランタイヤの生産施設の跡地であり、再開発にあたってはエコロジーの持続可能性を最大限実現させる方向でアイデア検討が進みました。ブラウンフィールド(汚染土壌の可能性がある土地)をグリーンフィールドに変えることが目標になっているとのことです。
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友人の話によると
トレントには若い建築家が多く、このプロジェクトも初期には地元の若手建築家によるアイデアコンペも行った経緯があるようです。
ただ村を活性化するにはやはり有名な人物が必要ということもあり、レンツォ・ピアノ氏が表舞台に上がりました。
個人的には若手建築家との対談やコラボレーションなど行って、本当の意味での活性化に繋げるというようなアイデアも無かったのかなと感じました。

この先の街の成長にとても興味があります・・・
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北イタリア、Trentino Alto Adigeトレンティーノ・アルト・アディジェ州の州都Trento(トレント)に2013年の夏に自然科学博物館がオープンしました。この地域はオーストリアだった時代もあり、街の中はドイツ語も聞こえてきます。

博物館を含むこのエリアはアディジェ川と鉄道に挟まれた元ミシュランの跡地、建築家Renzo Piano(レンツォ・ピアノ)氏による村おこし再開発プロジェクトです。
「Le Albere」複合施設(マンション、アパートメント、オフィス、店舗+博物館等)6ha、緑地公園5haの約11haの大きな開発であり、北イタリアに例が無いことで注目されています。

MUSE Museo delle Scienze 自然科学博物館

http://www.muse.it/it/
雄大な山々をバックに建つ博物館です
尾根をイメージしたデザインになっています
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エントランスには気持ちのいいカフェがあります
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広場には面白い作品が点在しています
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斬新な造りの博物館は大きな吹き抜けで全フロアが繋がっています

吹き抜けにたくさんの動物のはく製がレイアウトされていて圧巻です。
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まず最上階までエレベータで上がり、テラスに上がると・・・
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駅舎と線路の先に旧市街が見渡せます
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この古い建物は最近まで美術館でした。
美術館は現在近隣の街に移転しましたが、その話は引き続きブログでお伝えする予定です
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反対を見ると再開発地の新しい建築群の屋根が連なります
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展示ルートは上から順番に降りていくようになっています
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リアルさ、実物に触れる展示に加え、コンピューターをふんだんに使ったクイズ式、対話式、ゲームや遊びを備えた独創的な空間です。
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子供たちが遊びながら学べる科学の不思議、みんな盛り上がっていました。
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企画展示はかなりの頻度で変わり、いつ来ても新鮮な空間に出会える博物館です。幼稚園の子供たち、理科の授業の一環で訪れる小中学生の姿も多くみられました。
北イタリアに熱帯雨林!?植物園も隣り合わせです。
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次回は北イタリア トレントの村おこし再開発プロジェクト②に続きます。
Le albere レ・アルベレ開発地区を歩いてみましょう。
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今回は写真より説明の言葉が多いです

Crete Senesi
クレーテ・セネージと呼ばれるのはトスカーナ州シエナを県都とする、シエナより南東のエリア全体を指します。
Crete(クレーテ)はトスカーナ方言で「粘質土」という意味で、エリア全体の地質を物語っています。

もともと海底だったこの地は陸になった時期に粘土層と砂層が地層として表面に蓄積しました。その後、近郊の山の噴火により溶岩が厚い層をつくり、粗面岩しかないやせた土地が完成してしまいました。

開拓者は常に難しい土地と向かい合ってきましたが、地表部を耕してもまた新たなやせた地層が顔をだす、その繰り返しでした。その結果、今日に至ってもこの地域の人口は少ないようです。
冬から春、湿度が高い時期には草が生え、ヒツジやヤギを放牧、ゆっくりと食べながら動いています。
ですが、夏になると一面焼け野原の月面のように変化し、砂漠のような風景を見せます。
砂地に強い真っ赤なポピーや黄色のエニシダの絨毯に埋め尽くされる丘もありますが、基本的に茶色い風景が続きます。
ちょうど刈られた麦畑の跡もこの丘のラインを強調します。

★春に高速道路の車窓から撮ったものです
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この変化の激しい風景は、写真家や旅人を魅了します。
緑と茶色のなだらかな丘に目立つ糸杉の群、これは他の木々が育ちにくいからですが、特徴的な景観を作り出します。空や雲の影が大地に映り、現れたり消えたり1日中変化します。
季節によって丘そのものの色が激変するため、訪れるたびに新しい風景に出会ったような錯覚を起こします。
トスカーナのブドウ畑や美しい森林を旅してきた者に信じられない風景を見せるのです。

★クレーテセネージはいろいろな写真家が作品を撮っています。
ご覧になりたい方は“crete senesi”で画像検索をお勧めします!

クレーテ・セネージには温泉が湧き出る地域があります。
テルメ保養地として温泉付きのリゾートホテルが点在しています。
青々とした芝、色とりどりの花、爽やかな木々に包まれた高原の保養地を目指し、植栽計画を施しますが、粘質土に加え、温泉に含まれる石灰、このようなやせた土地に育つ樹種は限られ、毎年メンテをしながらどんな植物が育つか研究を重ねています。

★ロックガーデンにしましたが、ことごとく枯れ、芝生も石灰、粘質土に阻まれます。もう一度、肥料土を加え植えてみるようです。バックの赤い花は砂地に強いポピーです。
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クレーテセネージの粘土質な土地のランドスケープ、植栽計画を日々研究しているリゾートホテルを取材しました。その様子は次の記事で。
★リゾートホテルからの風景です。
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