Centro Congressi in Sicilia シチリアのコンベンションセンター vol.2

前回に引き続き、シチリアのコンベンションセンターの記事です。
第2回目は、修復された建築の内部を紹介します。

建物は19世紀(1800年代)のものです。大きく3家屋に分かれ、修復前の雰囲気を伝える修復が施されました。
名称も過去の姿を物語っています。
●Il Palazzo Nobilare(貴族の館)
●Il Palmento del Padrino(ゴッドファーザーの粉挽き場:ワイン貯蔵庫)
●Le Scuderie del Barone(男爵の馬小屋)
日本語ではなかなかピッタリな言葉が表現できず…ですが、どれもイタリアならでは!という名称です。
「ゴッドファーザー」の名がつく理由は、以下読んで頂ければわかります!

★計画プラン
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★修復前の実測図:出来るだけ残す方向の修復だとわかります
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それぞれに特徴のある部屋、スペース、大小さまざまなイベントに対応しています。
家族単位や少人数で開催するパーティは「貴族の館」、ちょっと雰囲気を変えて、面白い空間を希望であれば「男爵の馬小屋」、大人数の結婚式やイベントであれば「ゴッドファーザーの粉挽き場」、こちらは木造の大屋根、1階フロアには地下のワイン貯蔵庫の景が見えるよう床にガラスをふんだんに使いました。貯蔵庫のイメージをそのまま、こちらも会議からパーティまであらゆるイベントが開催されています。

ジュセッペ氏
「粉挽き場+ワイン貯蔵庫」の建物はアンティークとして貴重なものでした。出来る限りそのままの状態で保存修復しました。ワイン製造のためのデカンテーション、水路などもそのまま活用しています。その姿がよく見えるよう、1階の床は強化ガラス張り、地下の様子が伝わってきます。」


この映像に、ワイン製造エリアが出てきます。
http://vimeo.com/40991438
本人の解説付きです(イタリア語)

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「ゴッドファーザーの粉挽き場」は当時の粉挽き器具が残っており、個性的な姿が印象的です。ワイン製造工場の様子も当時の様子が伝わってくるようです。

★木造屋根と粉挽きの器具をそのまま活かす(修復前:上2枚、修復後:下)
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そして前回の記事の際には私もまだ知らされていないビックリな内容があります。それは修復前の館、有名な映画「ゴッドファーザー」のロケ地であったこと!です。日本からもロケ地周遊ツアー、プライベートツアーがあり、ゴッドファーザーファンを魅了する旅企画があった(現在もある?)と思いますが、この場所は「カターニャ近郊」というミステリアスな表現、そんな場所を取材できたことに感謝します。

ジュセッペ氏
「この古い館、実は映画「ゴッドファーザー」のロケ地です。南のバルコニーは撮影当時、映画のために少し広げる突貫修復工事をしたようです。我々は出来るだけこのまま残したいと強く感じながら丁寧に修復をしています。
1800年代建築のリフォームですが、新しいデザインを「価値」と捉えています。特徴のある建築の機能、維持管理など問題定義及び解決策が必要でしたので、構造、デザイン要素などの詳細な分析を行い、現代建築のカギとなる再利用、再活用に則り、建材、構造材など壊さずに出来る限り利用することにしました。また新しさを強調するものとして階段や踊り場の手すりなど主張するデザインを入れ、建物の中での新旧を繋ぐ役割をしています」


★新しいデザインを取り入れた「貴族の館」の手摺
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温故知新の考え方、古き良きものを現代に伝えながら新しい挑戦のデザインを融合させています。この建物1800年時代(19世紀)のものとのことですが、持ち主はシチリアでもっとも有名と言われる貴族のファミリーでした。

ジュセッペ氏
「この館に携わる者にとって、ここにある歴史や由来を知るのは大変興味深いことだと思います。
数世紀さかのぼった当時のオーナーはペンニージ家のファミリー、大地主でした。その後年月を経て、一部分割や譲渡されながら現在の持ち主に引き継がれてきました。
歴史的観点から見ると、19世紀中旬から終期にかけ、建物自体も増築を重ねています。ペンニージ家から別の貴族(封建領主)に相続され、シチリア出身の建築家によって再構築されていきました。
最初はおそらくメイン館のみで、1階だけ、その後時間をかけて粉挽き場(+ワイン製造・貯蔵庫)や厩舎(馬小屋)が増築されたようです。続いて2階部分が増築され、私たちが修復を手掛ける前の状態になりました。」


★ジュセッペ氏によるエスキース
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「貴族の館」はモザイクの床が美しく、部屋ごとに模様も違い、個性のあるものでした。アンティークな素材を活かしながら、有機的なラインの手すりなどを組合せ、館の中が生まれ変わりました。

★アンティークモザイクが美しく残された(修復前:左→修復後:右)
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★修復後のレセプションルームと化粧室
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厩舎「男爵の馬小屋にはかなり珍しい溶岩石の柱が並び、馬を一頭ずつ分割する仕切りが残っていました。床の玄武岩舗装もそのまま使い、ここはほぼそのままの姿を見せるようにしました。現在は受付/レセプションとしてお客を迎えています。

★男爵の馬小屋
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まだまだ聞きたいことはあるのですが、出来れば実際の姿を見て・・・シチリア島を訪問する夢の実現を目指して!!
その時まで取っておくことにします。

以下の写真はRADICEPURAのHPより抜粋させて頂きました。
こんな感じで使われています。
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次回は最終回、バルセロナのランドスケープアーキテクトユニットへの取材内容を載せたいと思います。
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