L'ARNO 記事掲載

L'ARNO Associazione Giapponese in Toscana
トスカーナ日本人会が発行する会報第20号に記事を載せて頂きました。
(ブログに載せることは許可を頂いています)
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機会を頂き感謝しています。
ありがとうございました。

<以下内容>

イタリアの緑に注目する

今までここに記事を載せてきた人はイタリア在住者がほとんどであろう。私は約12年前にフィレンツェとローマに住んでいた。現在は東京在住であるが、機会を頂いたのでイタリア在住の方々にも日本から旅行する方々にも緑の存在に触れてほしいと思う。

一般的に街はCENTROと呼ばれる市街地を中心に城壁に囲まれている。この囲まれたエリアを「街」「都市」と呼び城壁の外側は幹線道路やPERIFERIA、さらにCAMPAGNAと続く。
城壁によって分けられるものの1つに「緑」がある。イタリアの都市計画では城壁内に「緑のスペース」は必要ないと考えられており、緑は城壁の外に「庭園」や「平原・野原」として存在するものとされてきた。都市を形成するものは建築的なもの、つまり道であり広場であり、階段、建物の連なりである。広場は人が行き交い集う広い場所として石舗装が主流、広場の個性を見せる彫刻や水景施設もまた建築的なものである。
「緑のスペース」の中心である庭園は一般的に公の場所ではなく、個人の所有物として城壁の外や郊外にある。また畑や果樹園も緑のスペースであるが城壁外に存在する。
イタリアの丘陵地に美しく保存されているヴィッラの庭、ほとんど個人所有だが予約して見学できるところも多い。春には無料公開の庭もある。イタリアの造景的、建築的庭園はどれをみても同じという印象があると思うが、デザインも構成も庭それぞれに意味があり、所有者の要望、デザイナーの意図がある。ホームページやパンフレットを見学前に読んでヴィッラごとの特徴を見つけながら見学することをお勧めしたい。日本庭園で借景や箱庭の手法があるが、イタリアの庭園でも風景を一番美しく見せるために生垣の高さを決めたり美しい風景を切り取ったイメージで配置したりと多くの工夫が施されている。
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La Foce - Chianciano Terme 高生垣が借景を強調する
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Giardo dei Bardini - Firenze 頂上は街が一望できる

ここで公共の緑、公園や並木道に触れてみよう。私が訪れた公園はヴィッラや工場など廃棄物置場の跡地であった。元ヴィッラは大きな樹々をふんだんに活かし自然豊かな公園になっている。不法投棄で酷かった土地も土壌改良を行い苗の植樹、時間をかけて再生した緑が豊かである。並木道はルッカの城壁一周に植えられた特徴のある風景やローマのトラステヴェレ地区の大きな街路樹が印象的であった。その他にも気にしていれば緑の存在はけっこうあるものなので、街歩きの際には是非注目してみてほしい。
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Villa Vogel – Firenze ヴィッラの跡地である緑豊かな公園
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parco Chici Mendes – Firenze 廃棄物置場を土壌改良した公園

在住時に一緒に仕事をしたピストイアのPIANTE MATI社、大きな造園畑とデザイン事務所をもち、ヨーロッパ中の庭、屋上や壁面などの特殊緑化を手掛けている。2013年1月よりガーデンの学校を開校する。建築家やプロ向けだけではなく一般に対してもガーデンデザインや緑の知識を広めたいと言う。
またフィレンツェのSocietà Toscana di Orticulturaでも園芸を楽しむ講義が多く開催されている。年に2度の花市場ではたくさんの苗木とガーデン資材が並ぶ。
クラシックなデザインだけでなく、イタリア国内の新しい緑のデザインや植物にご興味のある方、是非訪れてたくさんの発見をして頂きたい。
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Piante Mati Pistoia @Accademia Italiana del Giardino  公開講座
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Società Toscana di Orticultura  2012春の花市場の様子
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