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Villa di Celle

<画像転載禁止、ご理解ください>
Villa di Celle
http://www.goricoll.it/

トスカーナ版の彫刻の森美術館という印象をうける多くのアートが点在する広大な森の庭園をご紹介します。
ピストイア中心から約5㎞、古いヴィラの残る豊かな森です。

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ヴィラの存在は1000年前に遡ります。15世紀にはPazzaglia家の所有、その後ピストイアの貴族Fabbroni家にうつりました。
ファッブローニ家はこの地の文化を研究し、ヴィラの全面的修復とガーデンの再整形を行いました。現在の形は17世紀の終わりに当時の枢機卿Carlo Agostino Fabbroni氏による指示のもとに修復された形といえます。18世紀中頃、建築家Giovanni Gambiniによって拡張され、イングリッシュスタイルのガーデンになりました。約30haに広げられた敷地の境界線には大変貴重なワインの種ブドウの畑とエクストラバージンオイルのオリーブ畑が作られ、現在も変わらずガーデンを守るように植えられています。

**枢機卿(すうききょう、すうきけい、ラテン語:Cardinalis)
カトリック教会において、教皇の助言者たる高位聖職者の意

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アルノ川の上流Brana川がこの敷地内を流れ、ネオクラシックなヴィラに似合う天然の湖や中之島を形成することができ、その他の水景施設、岩や崖のある池や滝も豊富につくられました。近くにネオゴシック時代と想定されるピラミッド神殿も残されています。
1970年に美術コレクターであるGori氏の所有となり、園内は大きく変化をしました。彼は既に配されている18世紀の作品(例えば「大きな鳥かご」「茶室」「ピラミッド」など)からインスピレーションを受け、さらに価値を高めるために作品を増やすことを考えました。
まずは70年代の有名な現代アーティストの作品の設置からスタート、カタルーニャ美術館、ドイツの現代美術の祭典Documenta、ヴェネツィアビエンナーレを訪問し、この大きな敷地に、この環境に、どのように表現するかを検討し始めました。
1981年、設置計画のために世界中のアーチストに依頼、この自然豊かな環境の中に自身の作品をどう表現するかを託したのです。
翌年の初夏、9点の屋外作品とヴィラ内の6点の作品で ゴリ氏のコレクションガーデンがスタートを切りました。その後も作品は増え続け、2000年夏現在、屋外アートは34点にのぼっています。

HPより地図を抜粋させていただきました。
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点在するアート作品の詳細はこちらに載っています
http://www.goricoll.it/index.php?file=MappaParco


娘が気に入った体感できる(遊べる)アートがたくさんありました!!

★La cabane éclatée aux 4 salles Daniel Buren(仏)
色彩豊かな壁と鏡、ガラスの構成、色々な角度にうつる自分が楽しいアート
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★Katarsis Magdalena Abakanowicz
なだらかな丘に生えた大きな植物のよう・・・娘はどこに隠れているでしょう?
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★Il mio buco nel cielo Bukichi Inoue(井上文吉)
まっすぐ続く先に穴が、そして見上げると切り取られた空が!
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★Servi muti Roberto Barni(伊)
一緒にテーブルを持ち上げているのは誰!?彫刻は3人です・・・
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★Per quelli che volano Luigi Mainolfi(伊)
誰がこんなところに椅子を置いたのですか!?
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★Spazio teatro Celle: omaggio a Pietro Porcinai Beverly Pepper(米)
緑を切り取ったような劇場に続く緑の階段です
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この庭園見学は完全予約制ですが、植栽工事及びメンテナンスを続けているPiante MATI社のAndrea氏に連れていって頂きました。
通常は15名までとなっていますが、学校の校外授業や遠足などで訪れる団体もあるようです。

数年前にPiante MATI100周年記念式典が行われ、アートの中で盛大なコンサートが開催されました。
その時の様子を書いた記事はこちらです
http://www.japandesign.ne.jp/HTM/REPORT/toscana/35/
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