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casa colonica

<無断転載 ご理解ください>
過去の記事の抜粋(一部引越し)をします

JDN28 フィレンツェに住まう人々‐6

フィレンツェの中心から車で20分ほどの郊外に住むご家族の戸建住宅を紹介します。
元々はこの町は教会を中心とした小さな田舎町でしたが数年前にフィレンツェ市に吸収されました。今でも緑や農地が多く存在する穏やかな空気の流れる地帯です。古い家屋を購入した場所は当時の中心であった教会と鐘楼からも近い貴重なカントリーエリアです。
この地区は『小規模歴史地区』に指定されていて、当時の建築を《触ってはならない》という法律があります。階高増設は違反、外観を変えてしまうことはできないのが現状ですが、隠れて屋内の柱や壁を改装したりしているところもあるようです・・・。
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外観のビフォーアフターです。
友人と共同購入し、3-4年かけて、自らの手でリフォームを続けたというパワフルなご夫婦です。
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ご主人にお話を聞きました。
「廃屋のような状態でしたが構造そのものはしっかりしていたので、殆ど元々の間取りに近いまま…というより間取りは変えられなかったのですが、リフォーム計画をスタートしました。しばらくの間パーティ会場として貸していたらしく、スプレーのいたずら書きがひどかったですよ。購入の理由は、この土地環境と暖炉があることでした。また友人と共同購入だったので分割がしやすい造りだったことも理由のひとつですね。でも正直なところ、ボロボロ故に廉価ということが決め手でもあります。いやいやリフォームのし甲斐がありました。ただ安いと言っても全面リフォームを強いられる状況に両親は大反対でしたが(笑)
まずは一度屋根を全て取り外して、大工さんに裏天井に漆喰を塗り直してもらいました。我々は元々残っていた瓦や床舗装材(テラコッタ材)を一つ一つ磨いて再利用しました。磨く作業は地道で大変でしたよ。でも歴史地区は瓦一つ変更不可なので出来るだけ再利用、もちろん壊れた部分は仕方ないのでオリジナルに近いものを探しました。ですから新しい材料も使ってはいますが…。またここは湿地帯なので50センチメートルほど高床にすることにしたのですが、工事を進めている時に中世期建築のアーチが出て来たんですよ。昔は地下室があった形跡を発見しました。部屋には井戸が設けられている形跡も…昔の百姓は合理的だったのかと感じた記憶があります。大変だったリフォームも今では素晴らしい経験としていい思い出です」
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寝室のビフォーアフターです
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